ゆうとう泌尿器科クリニック

過活動膀胱

過活動膀胱

過活動膀胱とは

膀胱は尿をためる臓器です。膀胱に尿が十分にたまると私たちは尿意を感じてトイレに向かいます。そしてトイレに着いて尿を出そうとして初めて尿が出ます。
過活動膀胱は、自分の意思とは関係なく膀胱がかってに尿を出そうとしてしまい、尿を我慢することができなくなってしまう病気です。日本人では1000万人以上の男女が悩まれている頻度の多い病気です。

図:膀胱

原因

加齢による老化現象、前立腺肥大症などの尿をうまく出せない状態が続いて膀胱が弱った場合、脳や脊髄の病気(脳卒中、パーキンソン病など)が原因となりますが、特別な原因がないこともあります。

症状

頻尿(ひんにょう)

  • 尿を我慢できずにもれそうになる
  • 尿が近い
  • 尿の回数が多い
  • 夜間に尿のために起きる
ひどくなると

トイレまで我慢できずに尿がもれてしまうこともあります。

検査

実施項目
  • 問診と質問票によって症状を確認します。
  • 検査によって過活動膀胱と同じような症状を起こす別の病気ではないかを調べます。
  • 必要に応じて膀胱鏡検査やX線検査を行います。

同じような症状を起こす病気

治療

内服薬と干渉低周波治療(ウロマスター、ペリネスタ)を使って治療します。
膀胱訓練、骨盤底筋体操も有効です。

内服薬の一覧

種別 薬品名 効果
ベータ3作動薬 ベタニス、ベオーバ 膀胱の筋肉をゆるめる薬
抗コリン薬 ベシケア、トビエース、デトルシトール、ステーブラ、バップフォーなど 膀胱の収縮をおさえる薬
  • どちらの薬も、急な尿意をおさえ、尿の回数を減らす効果があります。

干渉低周波治療(ウロマスター、ペリネスタ)

痛みの少ない周波数の電流を流して膀胱や骨盤の筋肉や神経に刺激を与えることで、頻尿や尿失禁の症状を改善させる治療です。
痛みや副作用は無く、性別や年齢も問わずほとんどの方で安全に使用することができます。

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訓練の一覧

膀胱訓練、骨盤底筋体操ともに、内服薬と同じくらいの効果があります。

膀胱訓練

尿意を我慢する時間を少しずつ長くする訓練をします。

  1. 尿意を感じたら、5分間我慢してください。
  2. 5分間我慢できるようになれば、次は10分間我慢してください。
  3. 10分間我慢できるようになれば、15分間我慢してください。

できる範囲で少しずつ排尿間隔を延ばしていきましょう!

骨盤底筋体操

尿を我慢する筋肉を鍛えます。

  1. 肛門部に意識を集中して、肛門と膣、尿道を10秒ほどしめてください。
    画像:締める動作
  2. しめていた部分をゆるめ、数十秒休んでください。
    画像:ゆるめる動作
  3. その動作を繰り返します。
    画像:繰り返しの動作
他の姿勢でも可能です。自分に合う姿勢を選びましょう。

あお向けになって

画像:あお向けの姿勢

イスに座った姿勢で

画像:イスに座った姿勢

目標は1日50回程度。何回かに分けて行い、毎日継続することが大切です。