腹圧性尿失禁
腹圧性尿失禁とは
重い物を持った時や、咳・くしゃみをした時など、お腹に力が入った時に尿がもれることを腹圧性尿失禁といいます。
妊娠・出産、肥満、便秘、加齢によって尿道や膀胱を支える筋肉が弱くなり、尿道をしっかりとしめることができなくなることが原因です。特に妊娠・出産が一番大きな原因です。
日本では500万人以上の女性が悩まれています。
症状
お腹に力が入った時に、尿をしたい感じがないのに尿が勝手にもれます。
例)咳、くしゃみ、笑った時に尿がもれる、重いものを持ち上げた時にもれる、走ったり、とんだりした時にもれる
治療
干渉低周波治療(ウロマスター、ペリネスタ)と骨盤底筋体操を行います。
干渉低周波治療(ウロマスター、ペリネスタ)
痛みの少ない周波数の電流を流して膀胱や骨盤の筋肉や神経に刺激を与えることで、頻尿や尿失禁の症状を改善させる治療です。
痛みや副作用は無く、性別や年齢も問わずほとんどの方で安全に使用することができます。
骨盤底筋体操
尿道や膀胱を支える筋肉をきたえます。
-
肛門部に意識を集中して、肛門と膣、尿道を10秒ほどしめてください。
-
しめていた部分をゆるめ、数十秒休んでください。
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その動作を繰り返します。
あお向けになって
イスに座った姿勢で
目標は1日50回程度。何回かに分けて行い、毎日継続することが大切です。
減量
肥満の方では効果があります。
薬
尿道をしめる薬:ベータ受容体作動薬
干渉低周波治療、骨盤底筋体操、減量、薬での治療を行っても効果が不十分な場合には、手術が必要となる場合があります。
骨盤臓器脱
骨盤臓器脱とは
年齢や体重、便秘、出産によって膣のまわりを支える筋肉が弱くなり、膀胱や腸、子宮が膣から出てきてしまうことを骨盤臓器脱といいます。
日本人女性の1割の方が骨盤臓器脱と言われ、全国に数百万人の人が骨盤臓器脱で悩んでいます。
骨盤臓器脱になりやすい方
- 閉経後
- 肥満
- 便秘
- 出産後
- 立ち仕事や重い物を持ち上げる仕事に就いている
症状
- 何かが下がっている感じがする、膣からまるいものが出ている・触れる。
- 尿や便が出にくい感じ、尿が近い、尿がもれそうになるといった症状を伴うことがあります。
- はじめはお腹に力が入った時に膣から出てくるだけですが、ひどくなると常に出たままとなります。
- 午前中は出ていないのに、夕方になると出てくることが多いです。
治療
骨盤底筋体操
膣のまわりを支える筋肉をきたえます。
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肛門部に意識を集中して、肛門と膣、尿道を10秒ほどしめてください。
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しめていた部分をゆるめ、数十秒休んでください。
-
その動作を繰り返します。
あお向けになって
イスに座った姿勢で
目標は1日50回程度。何回かに分けて行い、毎日継続することが大切です。
ペッサリー
ペッサリーという器具を膣に入れて、膣のまわりを支えて脱出を防ぎます。ご自身での着脱が可能です。
フェミクッション
下着のように着ることで、外から圧迫して脱出を防ぎます。
手術
根本的に骨盤臓器脱を治すためには手術が必要となります。